【レポート・ライブ感想編】
伊東歌詞太郎 ワンマン LIVE ツアー2019「君住む街へ」阪名東編~マイホームタウンへ~
11月3日(日)DIAMOND HALL<愛知>

[セットリスト]
1. 北極星
2. It's all right!
3. つながって
4. 惑星ループ

5. その暖かな手を
6. 365
7. 小さなころから
8. Tonight

9. アストロ
10. ワールド・ランプシェード
11. からくりピエロ
12. ラピスラズリ

13. 真夏のダイヤモンド
14. 革命トライアングル
15. ムーンウォーカー
16. I Can Stop Fall in Love
17. magic music
18. 帰ろうよ、マイホームタウン~追想~

アンコール
EC1. パラボラ~ガリレオの夢~
EC2. 僕だけのロックスター

***

以下、あくまでも個人の感想ですので、こんな考え方もあるのか、程度に見ていただけると幸いです。MC等、話の内容が前後してしまっている、及び歌詞太郎さんの言い回しが実際と異なっている可能性が多々あると思われます。予めご了承ください。

***

歌詞太郎さん登場の際の音楽が流れ、バンドメンバーが先に登場。
いつもならば音楽が流れている最中に歌詞太郎さんが登場するが、今回はその曲が終わっても出てこず。
一旦音楽が止み、バンドメンバーが北極星の前奏を演奏し始めたところで、歌詞太郎さんが腕を上げて登場。演奏始めのべーちゃんさんのドラムソロがとても格好良かった。
いつもと違う登場の仕方に、とても新鮮な気持ちになった記憶があります。
服装はだぼっとした白シャツに黒のスキニー。白シャツの方、だぼっとしていることに変わりはないのですが、今まで(君住む街へツアーで何度か着ていらっしゃったもの)の白シャツとは違う種類だったような気がします。裾のラインや袖周りが違ったような……?気のせいである可能性は大いにありますが……!

北極星
照明の演出がとても綺麗。星空のような細かい光の粒がステージの背中(歌詞太郎さんの後ろ側)に当たっていた印象。そしてその光の粒が、しっかり北の空(北極星の見える方角)の星の動き方(反時計回り)になっていて感動……!プラネタリウムのような、幻想的な照明でした。
「ようこそあせりと不安に満ちた世界へ」の「ようこそ!」の部分で両腕を広げてお客さんを歓迎している様子を醸し出す歌詞太郎さん。見ていてとても幸せな気持ちになったのを覚えています。

It's all right!
照明が変わり、橙色と黄色でステージが染まる。
「皆さんの手拍子と声と笑顔を見せてください、It's! all!! right!!!」
この最初の台詞とても好きです。前奏で腕を叩いてクラップを要求する歌詞太郎さんの笑顔が忘れられない。
恒例の地名を入れる部分。「ここは愛知~~~~!!」の後に熱い歓声が。
「君が心に住み着いて 離れないけど」と「君の心のナビゲーション たどったけれど」で細かく丁寧に観客を指さしていくのがとてもいいなぁと毎回思っています。素敵。
サビの掛け声を交互にやるところもすごく楽しい。ライブならではの楽しさが味わえる、大好きな曲のひとつです。

つながって
照明がとってもカラフル!まるで虹のような色合い、すごく綺麗でした。
前奏部分で体を揺らす歌詞太郎さんがとても好きです。歌詞の初めから「溺れそうな現在(いま)を乗り越えてく」に入る手前まで目を瞑ったまま歌っていた気がします。
何よりも驚いたのは演出。2番目サビで、なんと観客側の頭上に多数の風船(大阪・東京に比べて小さめのサイズ)が現れる……!皆さん、手のひらで弾いて歌詞太郎さんが歌うステージ方面へと返していました。それを全て再びこちら側に跳ね返そうとする歌詞太郎さんが本当に可愛らしかった。風船の量が多かったのと皆さんがステージ側に返す速度が速いのが相まって、返しきれなくなってしまった歌詞太郎さん、2番目サビを終え間奏に入った途端「多い!!(笑)」と仰っていました。この時の笑顔が忘れられない。そして、曲の最後あたりで歌詞太郎さんが蹴り返そうとした風船が前に飛ばず、自分の頭に当たってしまっていました(笑)。その後、自分の頭に当たった風船を保持したまま「つながって」を歌い終わり、次の曲に入る前に袖にいるスタッフさんへと風船を渡しに行く歌詞太郎さん。
風船を相手にしながらも、しっかり歌い上げる歌詞太郎さんが本当に格好良かったです。

惑星ループ
トゥットゥルルットゥルットゥットゥルと流れた瞬間に上がった歓声がとても大きかったのが印象的でした。
サビの部分で指をくるくる回しながら歌う歌詞太郎さんに合わせて、私たちも指を回すのがとても楽しい。「あなたに逢いたいな」の歌詞に、ライブをやりたい(=私たちに会いたい)気持ちを重ねているのかなと、勝手に考えておりました。

MC1
「今日もこんなに沢山の人に僕の音楽を聴いてもらえて、本当に嬉しいです。ありがとう。
ここのMCで何話そうかなって毎回考えるんですけど、事前に考えてきてもどうせお前感極まるだろ!!って(笑)。
涙腺が崩壊してるんですよね、流れない方向で」

4曲を歌い終えて、涙腺にきているご様子でした。それでもやはり涙は出ないとのこと。
ここのMCで歌詞太郎さんが伝えてくださる「ありがとう」は本当に心に響くな、と思っております。こちらこそありがとうございます、とお伝えしたいです。

その暖かな手を
曲が始まった瞬間、息を呑みました。
このタイミングでこの曲がくるなんて、マフラータオル必須です。涙が出ること不可避。
「本当に歌が好きだ」のところで、今までの喜びも悔しさも、その全てを噛み締めるような。そんな歌い方でした。
曲が終わって暗転した際に、他の方々も感動で心打たれているご様子。次の曲に切り替わるまでの静寂の中、鼻をすする音が響いていたように思います。

365
優しく優しく歌い上げていたように感じました。それでも時折力強く。そのバランスが最高でした。
モニター上で舞う花弁が美しかった。ところどころ映し出される歌詞が、明朝体を少しお洒落にしたようなフォントでした。モニターに歌詞太郎さんのお姿が映って、ご本人も見たいし映っている映像も見たいしで、脳内及び視線が大慌てでした。

小さなころから
橙色と黄色の照明、たまに白。
光の加減が夕暮れのような、「小さなころから」のイメージにぴったりな色合いでした。満遍なく観客側を見渡して、時折うなずくような仕草を交えながら語りかけるように歌っていた記憶。歌詞太郎さんは終始優しい笑顔でした。

Tonight
ライブならではのTonightのドラムの前奏がとても好きで、べーちゃんさんが叩き始めた瞬間、歓喜。Tonight大好きなんです。
今この瞬間!このライブが大事なんだ!!という歌詞太郎さんの気持ちが鮮明に伝わってきました。あの日時点で、間違いなく最高のライブであったと、胸を張って言えます。最高でした。

MC2
「今日のセトリにTonightここで入れてよかったー!!この気持ちで、Tonightを歌えたことが本当に嬉しいです。ありがとう」

最高のTonightを聴くことができて幸せでした。会場の皆さんもきっと同じ気持ちだったのではないかな、と思います。ライブや音楽に対する想いが存分にのったTonightを味わえたこと、本当に嬉しかったです。

「今年中のメジャーデビューは難しい。それでも、来年以降も全力で夢を追い続けることに変わりはないから」

歌詞太郎さんにも思うところが多々あるのだろうと、そう感じさせられるような語り口調でした。
そのような流れで、MCの内容は音楽業界のお話へ。

「(音楽業界の人たちは)皆、僕と同じくらい音楽が好きなんだと思ってた。でも違った。音楽を目的とするか手段とするか。もちろん音楽を手段に使う人もいるよ?でも僕は音楽を目的としてしか考えていなかったからさ」

次いで、30周年を迎えたthe pillowsの山中さわおさんのMCのお話に。

「30年目にして今までで1番多くのお客さんに見てもらえるって最高にかっこよくないかい…!?さわおさんのMCの中で、すごく心に刺さった言葉があって。『僕は、音楽業界は信じてないけど、君たちのことは信じたい』って言ってて、その言葉がグサッて刺さった。刺さったんだけど、僕は『音楽業界を信じていない』とは言わない。今ここに居てくれてる人たちは、僕と僕の音楽を信じてくれてる人達だと思ってる。メジャーデビューするだけならできるよ。でもそうじゃないじゃん。急に伊東歌詞太郎が適当になったら皆も嫌だろ!?音楽業界は人が作ったものだからさ、結局は人なんだよ。良い人もいるし悪い人もいる。だから絶対、中には僕の音楽を大切にしてくれる人だっているはずなんだ。僕の音楽を大切にしてくれる人の所に行きたい。僕の音楽を良いと思ってくれる人に出会えるまで。それこそ『君いいね……、てかLINEやってる?』みたいに言われたい。言われたいなー!(笑)」

歌詞太郎さんがこのお話をされている間、たくさんたくさん考えさせられました。長年音楽と真摯に向き合ってきた歌詞太郎さんは、私たちには想像もつかないくらい、数え切れないほどの経験をしてきたのだろうな、と。
私以外にも、会場に居た方々の中には色々と考えた方が多かったMCだったのではないかな、と思います。
胸を打たれる、そんなMCでした。

「この気持ちのまま、次の曲を歌いたいと思います!!」

アストロ
今までで1番、最高のアストロでした。ただその一点に尽きます。
直前のMCでのお言葉が胸に残ったまま、歌詞太郎さんの熱い気持ちをダイレクトに受け取りました。直前のMCをどのような気持ちで話されていたか私たちには計り知れませんが、間違いなくその歌詞太郎さんの気持ちがアストロを歌う声にのっていたことは確かだな、と。
語頭がいつにも増して力強かった印象です。

ワールド・ランプシェード
ここでこの曲くるか~!やばい!というのが第一の感想です。
以前LINEチケットの公式ブログに掲載されていたインタビューで、歌詞太郎さんが語っていらっしゃった「初めて演る新曲」はこの曲のことだったのかな、とぼんやり考えました。
初めてこの曲を聴く方も多くいらっしゃったかな?という印象でしたが、曲を知っているか否かに関係なく観客を魅了していたように思います。
buzzGさんの曲が本当に似合う……。とても素敵でした。

からくりピエロ
紫色と青色の照明の中、前奏が流れて歓喜の声が多く上がっていました。
サビのところでの、はたっぷさんのコーラスがとても素敵。
「回って 回って 回り疲れて 息が 息が 息が止まるの」のところで声を出すのが楽しい。会場の皆さんの揃った声が綺麗だなと感じました。私たちの方にマイクを向けて、ものすごく嬉しそうな顔で私たちの声を聴いている歌詞太郎さんが記憶に残っています。
曲終わりの「君が思うままに操ってよ」の部分で、歌詞太郎さんの醸し出す雰囲気が、道化師そのものでした。

ラピスラズリ
ボカロ曲(及び提供曲)が続いたためか、ここで歌詞太郎さん作詞作曲の曲がきてとても新鮮な気持ちに。
間奏に入る度に腕を叩いてリズムを整えつつクラップを要求する歌詞太郎さんがとても好きです。
「そんな世界が好きだな」と「だから世界が好きだよ」の時のやんちゃな笑顔が可愛らしかった……!
そして、阪名東の公演のために作られたであろう新しい映像がとても素敵だった記憶。

MC3
「愛知県が1番イベントとかライブとかで来てるんですよ(ここで歓声が上がる)。
2番目は北海道、それで多分3番目とかに鳥取が来てその次に岡山とかがくるんですよ。多分、僕特殊なタイプのアーティストで(笑)。
免許取ってからある時、運転したいなーって思って。普通どこかに行く為に、運転するじゃないですか。でも僕は、運転が目的になっちゃってるみたいなね(笑)。
1人で運転して名古屋に来たことあるんですよ。そこで何を考えるかと言いますと、名古屋って食べ物が美味しいじゃないですか!味噌煮込みうどんですよ。山本屋と、山本屋総本家っていうお店があるじゃないですか。僕どっちがいいとか特にこだわりないんだけど、山本屋と山本屋総本家って、何が違うんですかあれ(笑)。喧嘩とかしてるんですか?あ、喧嘩はしてない……?あれ何なんだろうな、分かんないな(笑)。
僕、カップラーメンで1番美味しいと思ってるのがスガキヤの味噌煮込みうどんなんですけど、スガキヤ行ったら味噌煮込みうどん無いんですね!なんでやねーんって」

地元に来ていただけるというのは本当に有難いことなのだと、改めて感じたMCでした。名古屋まで1人車を走らせる歌詞太郎さんを想像してしまい、思わず笑みが零れました。名古屋を運転する際には気をつけて欲しいという気持ちがありますが、たくさん美味しいものを食べていって欲しいという気持ちもあります。そして「スガキヤ」のイントネーションが少し違ったような(笑)。

「『あいち』って愛を知ってるって書くじゃないですか。僕にも教えて欲しいなー!ギターの柴田さんが愛知県の知多半島出身なんですね。愛を知ってる、その上で知ってることが多いって、最高じゃないですか!!」

まさか「知多半島」からその発想が出てくるとは……!!素敵だなと思いました。
ぜひぜひ知多半島出身の柴田さんから、教えてもらって欲しいです(笑)。

そして話題は台湾ラーメン屋の「味仙」へ。

「今回、ツアーのメンバーでハナブサユウキくんって人がいるんですけど、彼もかなり味仙が好きらしくて。
『歌詞太郎さんも味仙好きなんすか?じゃあ当然あさりのやつやってます?』『あさり、いや、知らないな……』『あさりの汁を、台湾ラーメンの中に入れるんですよ、あー……でも、もしかしたら歌詞太郎さんダメかもしれない……』『え、なになに』『いや、人によっては味が濃すぎる感じの……』『ハナブサくん……!(握手)』ってなって(笑)。
試してみたら、それがもう(美味しい方向で)この世のものとは思えない味で(笑)。
東京にも味仙ってあるんですよ。でもね、あれはね(ここであれは駄目だ、みたいな顔をする)、正直あの、がっかりしちゃった……んですよ。それで名古屋にも色々店舗があるじゃないですか。でも、ん~……なんか、いや、東京のやつはディスるよ!あれは駄目だ。でもその名古屋の違う店舗も、やっぱり味が違うんですよ。どこだったかな、名古屋駅前店?でいいのかな。皆でね、食べに行ったんですよ(言いながら歌詞太郎さんが柴田さんの方にアイコンタクトを取り、それを見て柴田さんが頷いていらっしゃいました)。その店舗がもう、この世のものとは思えない味で……!!(笑)
この話を聞いて、味仙行ってみようと思った人、男性はもうね、ぜひ心置きなく行って欲しい。絶対良い思い出になるから。でも女性にとっては、少し問題があるかもしれない。ちょっとね、変わった接客をする店員さんがいるんですよ」

味仙に対する愛が溢れる歌詞太郎さん。これもひとつの「愛」なのでは?と思いながらずっと聞いておりました。
そして味仙に対する情熱は加速していき……。

「ごめん、長くなっちゃってるんだけど話していいかい!?話したいんですよ(笑)。
ある時、僕、空芯菜が食べたくて。空芯菜お願いします、って言ったら『え?空芯菜?兄ちゃん、青菜の方がうめぇよ!』って言われて。『いやでも空芯菜食べたい……』『ぜってぇ青菜の方がうめぇから!』『……じゃあ青菜で』って言っちゃって。で、運ばれてくるじゃないですか。あーでも空芯菜食べたかったなー(ここで食べる仕草をする)、……めっちゃうめぇ!!みたいな(笑)。これはね、これはいいんだ、ただオススメしてくれてるだけだから。でももう1人癖のある店員さんがいまして。
うちのドラムのべーちゃんが辛いものが苦手で、『麻婆ラーメンにします』って言ったんですね。そしたらその定員さんが『ないです』って言ったんですよ。え、でもメニューに載ってるしありますよね?『いや、ないです』みたいな感じで。いやあるだろ!絶対面倒臭いって思っただろ!!って(笑)。それで結局べーちゃんが折れて、台湾ラーメンになったんですけど……(ここでべーちゃんさんが、この出来事を思い出すように深く頷いておられました)。
味仙には普通の台湾ラーメンと、あとアメリカンとイタリアンっていうのがあるんですね。アメリカンは辛さ控えめで、イタリアンが辛いやつなんですけど。それで僕はイタリアンを頼んだんですね。イタリアン頼んだら店員さんに『辛いよ大丈夫!?』って言われて(笑)。それで、前できたから、にんにく多くしてくださいって言ったら、『にんにくないよ!』って、絶対嘘だろ他の料理にこんなに沢山にんにく入っとるやんけ!!!!(指で輪っかを作り、にんにく大量発生、みたいな動きを指で演じていた)」

味仙に対する愛が爆発し、おそらくこの日1番長いMCをされていました(笑)。
どのエピソードも本当に面白く、観客側からはもちろん、バンドメンバーの方々からも笑いが起こるような、そんなMCでした。
私自身、すごく笑わせていただきました、聞いていてとても楽しかったです。

「話飛んじゃったけど、中日ドラゴンズの本拠地でこの曲やるぜ!!真夏のダイヤモンド!!」

真夏のダイヤモンド
相も変わらず「1.2.3.4 !!」と「全戦全勝」を叫ぶのがありえないくらいに楽しい。高揚感と一体感を同時に感じられる曲。
阪名東編で加わったモニターの演出で、歌詞の一部が文字として映し出されるのもまた良いですね……!!夏らしさが味わえる映像の配色(水色、橙色、黄色など)がとても好きでした。
マイクを持っていない方の手でフルスイングをする歌詞太郎さんのパフォーマンスが、とても様になっていて格好良い。
冬に差し掛かろうとしておりますが、あの瞬間は間違いなく会場一体が真夏でした。

革命トライアングル
曲が始まるやいなや、赤い光に照らされる歌詞太郎さん。後ろのモニターで流れる映像がものすごく格好良かったです。特にサビの部分。例えるならば、燃え盛る鳥のイメージ、という感じでしょうか……!加えて、映像中の金網や剣も、世界観を作り出していてとても良かった……!
劇団への提供曲ということで劇の内容に沿った歌詞だと思っていたのですが、今回ライブで聴いて、歌詞の節々に「この部分、歌詞太郎さんご本人にも通じそうだな」と感じられる部分が多々ある……!と思いました(あくまで個人的感想です)。
この曲を歌っている時の歌詞太郎さんがすごく格好良くて魅入ってしまいました。他の曲ももちろんそうなのですが、特に魂が篭っていたように感じました。

ムーンウォーカー
イントロの手拍子を一緒に叩く歌詞太郎さんがすごく楽しそうな表情だった印象。もちろん、常に楽しそうではあるのですが……!
「昨日と今日狭間の自分 一瞬だけすれ違う」の「すれ違う」の部分でバッと後ろを振り返って、その後すぐに前を向く動作がとても好きです。
べーちゃんさんがドラムスティックを宙に投げていたのが格好良かった記憶(曖昧な記憶なのでこの曲でなかったらごめんなさい)。

I Can Stop Fall in Love
歌詞太郎さん、「タオルでも拳でも光り物でも何でもいいから回せ~!!」と仰ってました。歌詞太郎さん自身も、前奏からタオルを全力でぶん回していらっしゃった。
そして皆さんも、最初のドラム音で一斉にタオルや拳の準備を始めていました(笑)。
今回モニターの演出で新しく加わった、「Jesus! Jesus!」や「Tell me! Tell me!」、そして「Say your name」などの歌詞が映し出されるのがとても良い……!!文字のフォントがポップな感じで、この曲らしさが出ているな、と思いました。
そして間奏のところで、タオルを使って柴田さんに念を送る歌詞太郎さんが可愛らしい。体感型の曲、とっても楽しかったです!

magic music
「今日も来てくださってありがとうございました、伊東歌詞太郎でした!」
この曲のイントロでこう叫んでいらっしゃった歌詞太郎さん。こちらこそありがとうございます、の気持ちが溢れ出す瞬間。ライブで聴くとより一層歌詞に重みが出る曲だな、と思っております。
歌詞にある「どうもありがとう」の力強さが印象的。全身を使って「ありがとう」と伝えてくださっているような、そんなパフォーマンスでした。

帰ろうよ、マイホームタウン~追想~
「君住む街へ愛知!本日も、本当に最高のライブになりました!」
出だしからゆっくりと歩き始める歌詞太郎さん。ステージの左右に歩きながら、会場の隅々まで、私たちのことを丁寧に見ていらっしゃったご様子でした。「君住む街へ阪名東編~マイホームタウンへ~」でこの曲を聴くと、今まで以上にとても感慨深くなることが発覚。
東京へと帰っていく歌詞太郎さんの気持ちや思いが滲み出ていたように感じました。

歌い終わってからぴょんっと跳ねるようにして捌けていたような記憶。軽やかな動作でした(笑)。

MC4(アンコール)
歌詞太郎さん、新グッズのカーキのパーカーを身にまとい、再び登場。
ちなみに、パーカーの紐の部分はしっかり蝶蝶結びされていました。

『(皆さん、パーカーを着た歌詞太郎さんを見て)可愛い~~!!』
「えっ、何が可愛いの、あっこれ!?(後ろを振り向いてステージ上の照明を指さして)これ可愛いの!?」
『似合ってる~!!』
「似合ってる!?ステージに!?!?」

(ここで照明の方が空気を読んでライトを付ける)。

「あっ、ちょっと!!照明の方いい仕事してくれましたね!?(笑)
もうね、照明も音響もこの人達じゃないと嫌だってくらいに素敵な方々なんですよ」

照れ隠しと思われる言葉のやり取りがとても可愛らしかった……!
照明の方がナイスタイミングすぎて、とても笑わされました(笑)。
去年のしらゆりでの「いつか絶対、名古屋でパーカー着るから」という約束を果たしてくださった歌詞太郎さんに感謝……!

「今回1番苦労したのがグッズです!
今回あの、映像とかも凄かったでしょ!僕、映像を作ってくださった方に、これからも最高な映像お願いしますよ、みたいにプレッシャーを与えてて(笑)。
グッズを全てデザインしてくださったみっ君さんにもプレッシャーを与えてるんですよ。これからもこれ以上に最高なデザインしてくださいよ、みたいな。いや、流石にそんな言い方はしてないけど(笑)。
あの、今回新しくグッズ出しましたけど、僕『グッズ買えよ?』みたいなの本当に嫌なんで、……本当に無理はしないでくださいね!?そこだけは本当に、お願いしますね?」

グッズのお話。
動画師さんと絵師さんにプレッシャーを与えていらっしゃるそうです(笑)。
今回の映像及びグッズ、どれもとても素敵だなと思っております……!今回ツアーで流れていた映像、いずれも曲の雰囲気に合っていて、何度でも見たいと思ってしまっております……。そしてグッズは常に身につけていたいと思うような、とても素敵で可愛らしいデザインだな、と。

「皆さんオアシスっていうバンド知ってます?」

会場の半数ほど(個人的感覚です)が知っていそうな雰囲気に。

「僕、小学生とか中学生の時の合唱とかで、こういう歌い方してたんですね(腕を後ろで組み、休めの姿勢、且つ上半身を少しだけ反らしたような形)。僕の家に昔の写真とか一切ないから見せてあげられないのが残念なんだけど、本当にこういう歌い方をしていて。理由は特にないんだけど、この歌い方なんかいいなーって思ってたんですね(笑)。
それである時、友達に「お前のそれ、オアシスじゃん!」って言われたんですよ。僕は当時そのバンドのことを知らなくて、「え、それなに?」って聞き返したんですよ。そしたらその友達が「知らねぇのー?」って動画を見せてくれるわけですよ。そしたら、まさにオアシスのボーカルの人がこういう歌い方をしてたんですよ(ここでもう一度、先程と同じ歌い方の姿勢をとる)。
当然オアシスの方が先に存在しているのに、当時の僕は何故かパクられた!って思って怒っちゃって(笑)。その時に友達がこう、違うんだよー、っていうことを優しく諭してくれたんですけど(笑)」

オアシスというバンドと歌い方が似ていたことを楽しそうに話していらっしゃいました。その歌い方の姿勢が少し脱力しているような感じで、今の歌詞太郎さんがそのような姿勢を取っているところを見たことがなかったので、少し新鮮な気持ちに。

「あっ、そうねぇ映っちゃってた!?(後ろのモニターを指さす)あぁ~……、だよねぇ~!ごめんね、夜この顔にうなされたりしたら、悪夢だよ、ナイトメア。
でも、映ってるけど僕は化粧とかしてないからね。僕がもし今後テレビとかに出て化粧をしてたら、歌詞太郎がブレた訳じゃなくて、仕方なくやってるんだなーと思ってください(笑)」

思い出したように、少しだけモニターに自分の姿が映っていた件についてのお話をされていました。後ろの方でも歌詞太郎さんのお姿が見やすい、且つ自分の位置からでは見られない角度の歌詞太郎さんを見られる点がとても良かったです。
皆さん思っていらっしゃったと思いますが、歌詞太郎さんが夢に出てきても悪夢にはならないと思います……!おそらく幸せな夢かと!

「段々プルオーバーパーカーに慣れてきちゃったりしてね。そしてこれ多分Mサイズですね、袖が足りてない……。ごめんなさいねもう、手足が長いんですよ(笑)」

間違えてLサイズではなくMサイズを着てきてしまったご様子でした。
多分Mサイズですね、と歌詞太郎さんが仰った瞬間、会場がざわめいていました。
袖の長さを抜いたらサイズがぴったりのような気がして、驚きで「何事……?」と思った記憶があります(笑)。

「ここまでライブを一緒に作り上げてくれたバンドメンバーを呼びます!」

(バンドメンバーが次々に出てくる中、ウナさんがこっそりとマフラータオルで顔を隠すようにして登場)。

「なんか今、不審者みたいな人通りましたね……(笑)。(ウナさんの方を見て)大丈夫、後でちゃんと紹介するところあるから……!!ね、大丈夫だから!!」

ウナさんが奥で不安そうな顔をしていらしたのでしょうか……!後で紹介するから大丈夫!と何度か仰っていました。
そしてアンコールの曲へ。

パラボラ~ガリレオの夢~
「君住む街へ」の福島公演から北海道公演までこの曲から始まっていたからか、アンコールにパラボラがきて「おぉ……!」と思いました。ぼくラジの影響で、終わりが近づいている時にこの曲がくるイメージがあるので、今回のツアーで1曲目に持ってこられたことが新鮮でとても好きでしたと、この場を借りてお伝えしておきます。アンコールで歌われるのも、また違った感覚になりますね……!
そして、照明がとても綺麗で、星空のようでした。それを見て感動した記憶があります。

僕だけのロックスター
「僕には叶えたい夢があります!!トヨタよりもでっかい夢があります!!!!」
愛知公演ということで、トヨタの名前を挟んでいらっしゃった歌詞太郎さん。ここで歌詞太郎さんが発する言葉は本当に胸に刺さります。嘘偽りない感情なのだろうな、と。
曲中のバンドメンバー紹介で各々がパフォーマンスをした後に、それぞれに対して「〇〇(有名なアーティスト名)よりも最高な演奏ができるのは〇〇(バンドメンバーの名前)だけだ!」というようなことを仰っていたような……!
「そしてOn Vocal 伊東歌詞太郎と、声を出してくれて手を叩いてくれて笑顔を見せてくれて、何より今日ここに来てくれたあなた!!各々に拍手!!」
観客側に向けて拍手をする歌詞太郎さん。その後ラスサビまでしっかり歌い上げて満面の笑みに。
「皆で一緒に跳ぼうぜ」
歌詞太郎さん、べーちゃんさんの方を見てタイミングを見計らう。歌詞太郎さんに合わせて観客の方々も跳んでおりました。この日も、はたっぷさんがかなりの高さ跳んでいたような……!

最後のご挨拶。
歌詞太郎さん、バンドメンバーと手を繋ぐ。
「本日も本当に最高のライブになりました!なのでこのライブを礎に(笑)。礎にして東京へと繋ぎたいと思います!」と叫んでいらっしゃいました。
バンドメンバーが捌けてから、会場の上手側から下手側へと順番に拍手を送る歌詞太郎さん。手前から奥の方まで丁寧に「ありがとう」と。スピーカーが間近にある位置に居た方々には、耳を指で軽く叩いて「大丈夫か?」というような内容を仰っていた記憶があります。
余談ですが、このエンディング時に流れているピアノアレンジのパラボラがとても良い……。

***

君住む街へ阪名東編~マイホームタウンへ~、愛知公演!
本当に最高のライブでした。
覚えている限りの感じたことや歌詞太郎さんのパフォーマンスを全て文章に込めたつもりですが、書ききれていない部分も多いかと思います。
少しでも、最高のライブであった様子が伝わっていれば幸いです。


【レポート・インタビュー編】
レポーター各々が歌詞太郎さんにライブの感想を伝え、それを皮切りにインタビュー開始。歌詞太郎さん及びスタッフの方が話しやすい雰囲気を作ってくださり、時折笑いも起こるような形で行われていった。

「もう何でも聞いてください!どんな質問にも答えます!(笑)」

──最初の質問、失礼します。ライブの構成要素の1つとして、曲の選び方や並べる順番というものが挙げられると思うのですが、どのような観点からセットリストを決めていますか。

「なるほど、セットリスト!実はですね、どのライブでもそうだと思うんですけど、セオリーというものがあるんですよ。まず、序盤で元気の良い曲をやるんですね。それで、そのまま同じ様な曲調の歌を歌うと、人って疲れちゃうんですよ。同じ刺激は駄目、みたいな。例えば餃子で言うと、にんにく味だけ食べ続けようと思うと、無理なんです。そこで、適度に味を変えていくと、人って食べ続けることができるんですね。それと同じで、序盤で元気の良い曲をやった後、ここでバラードを持ってくるんです。そしてその後ミドルテンポの曲を歌う。それで、そのライブで伝えたいことはラストに持ってくるんですよ。だから、本当にこういう感じで(手で盛り上がり方の上下を示す)。
僕はアルバムとかを作る時も、ひとつのセットリストだと思って作るんです。それでよく言われるのが、『推し曲は2番目に持ってきた方がいいよ』みたいな。僕は推し曲って何だよ!全部推し曲だよ!って思って(笑)。もちろんアルバムだからどの曲から聴いてもらっても良いんだけど、はじめに聴いて欲しいと思った曲を1番に持ってきたりとか。セットリストに関してはそんな感じですね」

──なるほど。ありがとうございます。次の質問、失礼します…!歌詞太郎さんの書かれる歌詞はどの曲もとても真っ直ぐで、ストレートに心に響くと常々思っていて、既に様々なところで仰っていると思うのですが、曲作りをする時に自分の中で大切にしていることはありますか。

「そうですね、確かに今までにも言ってきたんですけど、僕は絶対自分の心の中のことしか書かないって決めていて。もちろん自分の思っていないことを書くっていうのも音楽の一つだとは思うんですけど、僕は曲を作ることにおいて、嘘をついたら駄目だと思ってるんですよ。明けない夜は無い、みたいなことは書けなくて。いやだってさ、明けない夜だってあるだろ……!?ね、そうでしょ!?だから僕は曲を作る時、自分の気持ちに正直に書くようにしていますね」

──ありがとうございます……!

ここでレポーターは2人目の方へと移り、次の質問へ。

「何でも聞いてください!どんな質問にも答えるんで!(笑)」

──はい!(笑)あの、今回のライブ及びツアーで、1番伝えたいと思っていることはなんでしょうか。

「そうですね……、やっぱり歌えない時期があったっていうのもそうなんですけど、歌えないっていうのがすごくつらくて。それで歌えないと周りの人から心配されるじゃないですか。歌詞太郎さん大丈夫かな、みたいに。そうやって心配されるのもつらくて、何より思い通りに歌えない、それがすごくもどかしくて。そこで、もう僕は大丈夫なんだよ、って伝えるために行ったのが、路上ライブツアーですよ。僕は自分の中で2本の柱があると思っていて。いや、今は3本かな……?
その1つ目が、路上ライブ。2つ目がライブハウスでのライブ。そして最後がホールでのライブ。これらは当然ながらメリットとデメリットがあるんです。
まず路上ライブは費用がかからない。敷居が低いから1番聴いてもらいやすい形なんですよ。そして何より1人1人対応ができる。でもやっぱり音に関しては難しくて。その場での最高の音を届けるっていうのはもちろんなんですけど、他のふたつに比べたらやっぱり劣ってしまうんです。
そこでライブハウスですよ。ただ、ライブハウスの悪いところはチケット代がかかってしまうところ。でもその分、良い音響や照明を加えることが出来る。路上ライブよりも豪華な環境で歌を届けることが出来るんですよ。
そして最後にホールでのライブ。これはライブハウスよりも更に良い演出をすることが出来る。ただし距離が遠くなってしまうっていうデメリットがあるんです。だからこそ、路上ライブツアーをやった後にライブハウスのライブをやったら『あぁ、もう歌詞太郎さん大丈夫だな』と思ってもらえるかと思って。
それと、少し話が変わってしまうんですけど、僕が初めてライブをする、伊東歌詞太郎として初めてライブをやります、ってなった時にその会場が東京で。もちろん、おめでとうっていうコメントが流れるわけですよ。でも、ひとつだけ『やっぱり東京なんですね』っていうコメントがあって。僕はそれが見逃せなかったんです。バンド時代の頃とか全く考えた事がなくて、そこで気づかされたというか。確かに東京でライブをするって、じゃあ北海道とか沖縄の人はどうするの……!?って。東京に来るためにチケット代よりも費用がかかってしまうじゃないですか。
それで僕、『絶対、歌詞太郎さんここには来ないでしょ』って思ってるだろうなあって場所に行くのが大好きなんですよ。以前路上ライブで対応をした時に、『この町あんまり好きじゃなかったんですけど、歌詞太郎さんが来てくれたので、この町のことが好きになりました!』って言ってくださった方がいて。そんなに!?みたいな(笑)。
だから本当に今回のツアーのタイトルじゃないですけど、君が住んでいるところへ行って、歌を届けたい。さっきのセットリストの話にも通じるんだけど、『帰ろうよ、マイホームタウン~追想~』から逆算して歌う曲を決めたりとか。今回のツアーはそんな気持ちでやってますね」

──なるほど、ありがとうございます!次の質問なのですが、歌詞太郎さんが今までで1番達成感があるなと感じたものは何でしょうか。

「達成感……、そうだな、今日(11月3日のダイアモンドホールでの公演)ですね!でもこれ多分、昨日聞かれてたら昨日って答えると思うんですよ。それが何故かというと、僕って後から理由に気付くタイプなんですけど、今回のツアーは、リハーサルも含めて全て全力でやってるんですよ。今日も本番の前に、本番と同じように全力で1回通してるし、昨日も2本全力で回してるから、この2日間で計4回ライブをやってるんです。
僕、ライブの前に5回リハーサルやったことがあるんですよ。普段のバンドメンバーと違う人が居たらその人の為にもうひと回しやったりとかするから、その関係で。もちろん5回とも全力でやってたんですけど、それでスタッフの方がなんて言うか。『歌詞太郎さん、抜いた方が良いですよ?』って。決まってこう言うんですよ。でも僕は抜きたくても抜けない、抜こうとしても抜けなくて(笑)。今のスタッフさんはそれを分かってくれているから、何も言ってこないんですけど。
それで、今回歌った中でアストロっていう曲があるんですけど、後ろのモニターで流す映像を作ってもらう際に、まきのせなさん(動画師の方)に僕の音源を送って、このイメージでお願いします、って頼んだんですよ。それで完成したものが送られてくるじゃないですか。それを見ようと思った時に、当然、僕の音源も一緒に流れるわけですよ。その自分の歌が、下手なんですよ。あれ、これライブ音源かな……?って一瞬思ったんですけど、間違いなく録った音源なんですよ。つまり、昔録った自分の歌に満足出来ていない自分がいるんですね。だから僕は、アストロの音源を聴いて下手だと思ったんですけど、それが逆にすごく嬉しかった。リハーサルだろうがデモテープを録る時だろうが、本気で歌う。そうすれば、絶対自分の中に新しい感覚が残るから。昔録った音源の曲も、今の僕の方が確実に上手く歌えるから、これからも今の曲はもちろん、昔の曲も最新の僕の歌で皆さんに届けたいなと思っています」

──ありがとうございます……!

そしてレポーターは最後の方へ。

──歌詞太郎さんは今までにも何度かこのダイアモンドホールで公演をされてきたと思うのですが、会場に対する親近感があるとライブをする上で何か変わったりしますか?

「そうですね……。アーティストの中で、中音に左右されやすい人って結構多いんですよ。中音っていうのは、僕らアーティスト側に聞こえる音のこと。それと対で、外音っていうのがあるんですけど、これは皆さんに聞こえる音のことを言うんです。僕も割と中音に左右されやすいタイプなんですよ。それもあって僕はイヤモニが苦手なんですけど……。でも、ダイアモンドホールは中音と外音の差があまりなくて。だからその点に関して言うと、ダイアモンドホールはすごくやりやすいですね」

──そう言っていただけると、地元の人間からすると少し嬉しいです。歌詞太郎さんのライブはお互いに「ありがとう」を言える場なので、それがすごく素敵だなと思っていて……。

「いやもうね、ありがとうは過ぎたる言葉ですよ。僕も感謝の気持ちを伝えたくて、ありがとうって言うことあるじゃないですか。そうしたらありがたいことに、ありがとうを返してもらったりして。それで僕ももう一度ありがとうって……、もうこれ終わらないんじゃないの!?みたいな(笑)。
僕の音楽を聴いてくれる、しかもライブに来てくれる、その上ファンクラブにも入ってくれているっていうのは本当にすごいことなんですよ。音楽っていうのは聴かれないものだから、僕はいつも、まず自分で自分の曲に価値をつけるんです。少なくとも僕はこの曲が好き、みたいに。その後で、『学校行くまでの間に聴いてます!』とか『仕事の前に聴きます!』とか、皆さんが僕の曲に価値をつけてくれるんですよ。だからそういう点では、本当にありがとうございます、と言いたいですね」

──ありがとうございます。最後の質問なのですが、今回ファンクラブも出来て、このような場を設けてくださっていると思うのですが、歌詞太郎さんにとってファンがどういう存在なのかお聞きしたいです。

「なるほど。実はですね、僕の中で『ファン』っていう言葉があまりしっくりきていなくて。だから僕は1人1人あなた、って言葉を使うんですけど……。というのも、音楽っていうのは絶対に1対1なんですよ。例えば、どうしようもなく八方塞がりの時とか、根本的に解決出来なくてもこの曲を聴くと心晴れるな、みたいなのってあるじゃないですか。それって、1対1だからなんですよ。だから僕は『ファン』という言葉で一括りにしてしまうのにどこか引っかかってしまって。そういうのもあって、僕は対応をする時に1人1人にありがとうを伝えたい……、そこで路上ライブですよ!(笑)
そんな理由でファンクラブも不安クラブとか言っちゃうんですよね。不安を与えていきたいなーみたいな(笑)。
不安の観点で言うと、桜島でライブとかやってみたいですね。あー、(噴火が)いつくるかなー、こないかなー、って思いながら歌うみたいなね(笑)。僕これけっこう本気ですよ!
あっそうだ、僕すごくやりたいなと思ってることがあるんですよ!僕がどっちの会場に来るか分からないっていうライブ!2つ会場を用意して、皆さんに僕が来そうだなと思う会場に行ってもらう。『歌詞太郎さん来るかな……?』『向こうの会場っぽくない?』って感じで(笑)。それで、僕が行かなかった会場に集まってた人には、ライブよりも豪華な何かをする。例えば、未公開の音源を差し上げます!とか。えー、音源の方がいいじゃん!ってなったりして……。不安をね、与えていきたいですね(笑)。」

スタッフさんからは『歌詞太郎さんがどっちの会場に来るか分からないライブ』に対し、面白そうですね、の声が。
話に区切りがついたところで、スタッフの方々がまとめをしてくださいました。

「今日は本当にありがとうございました!失礼します!」

──こちらこそ、ありがとうございました!

***

余談ですが、ひとりのレポーターの方が感想を伝えた際に、
「今回のツアー、ありがたいことに北海道公演まで盛況だったんで、お金がけっこうたまったんですよ。それで、何に使おうかなーって考えたときに、もう阪名東のライブに全部つぎ込んでやろうと思って。でも正直、使いすぎちゃった……(笑)。」
と、仰っていたのがすごく記憶に残っております。
そしてインタビューが終わり、最後に深々とお辞儀をして退室していく歌詞太郎さんの姿が印象的でした。
最後になってしまいましたが、今回とても貴重な経験をさせていただき、このような空間に立ち会えたことをとても嬉しく思います。
歌詞太郎さん、そしてスタッフの方々には感謝してもしきれません。
少しでも、皆さんにインタビューの様子が伝われば幸いです。